利益が出たのにお金がないシリーズ

 

今回は、

 

「利益が出たのにお金がないシリーズ」

 

というテーマです。



決算を終えて、

 

「利益出て、税金を払わないといけないのに

そんなお金なんてないよ!?」



という状況になった経営者さんは多いでしょう。




以前は、このシリーズで

 

「銀行への返済」

 

についてお伝えしました。



今回は、

 

「現預金が他のものに化けている~売掛金~」

 

です。



貸借対照表(以下、BS)を見てみましょう。



右下の純資産が50ある状態で、一応利益が出ている会社と考えます。





これだけ見ると、純資産はプラスだし、

資産も100あるので、順調・・と見えます。



では、ここで、「資産」の内訳を見てみます。



 

資産100のうち、50が現預金で、その他が50です。

 

これなら、実際に現預金が50あるので、

 

「利益が出ているのにお金がない」

ということにはなりません。



しかし、次のケースですと、



 

資産のうち、現預金は5しかなく、

残りはその他の資産になっています。



これだと、

 

「利益が出ているのにお金がない」



という状態になります。



いくら利益が出ていて、BS上の資産はあっても、

現預金がなければ当然お金は無い、ということになります。




じゃあなぜこのような状況になるの?

「その他の資産」って何?

 

を説明します。




その他の資産は、例えば

 

・売掛金

・在庫

・貸付金

・土地建物、機械などの固定資産

・その他

 

が挙げられます。



で、前置きがひたすら長くなりましたが、

今回はその中でも「売掛金」についてです。



ちょっとだけややこしい会計のルールを復習しましょう。



まず、売掛金は、「売上は立ったが、まだ未回収」のものですね。



次に、売上は、基本的な考え方としては「納品」時に計上します。



商品やサービスをお客さんに納めたら、売上が立ちます。



そして、売上が立つということは、会計的には利益になります。



逆に言えば、お金を回収しようがしまいが、

納品時点で売上、利益になるということです。



ということは、売上は立って利益は出たものの、

売掛金として残ったまま回収できていないと、

 

【利益はあるのに、お金が無い】

 

という状態になります。



これが、「本来あるべき現預金が売掛金に化けている」という状態です。







ちなみに、売掛金が多い=未回収が多い=キャッシュはその分苦しくなる

 

ということになります。



売掛金が多い=売上も多い、良いことだ!



という印象を持たれがちですが、実は売掛金が多いと

資金繰り的には良くないんですね。




どうでしょうか、ちょっとややこしかったでしょうか?



とりあえず、



「利益が出たのにお金が無い場合は、BSの左側を見てみる!」



ということを覚えておいてくださいね。



このシリーズはまた別の機会に続きをお伝えします。