今回は、
「毎年、いくら返済できるの?」
というテーマです。
前回の記事では、
・利益が出てもお金がない理由の一つは、「銀行への返済」があるから
・返済するのは、「税金を払った後のお金から」
という話をしました。
その続きで、
「あなたの会社は、いくら返済に回す資金があるの?」
という話をします。
さて、「借入を返済するのは、税金を払った後のお金から」とお伝えしました。
税金を払った後のお金というと、
決算書上は「税引後当期利益」がそれに該当しそうです。
が、話はもう少し複雑でして。
そもそも、税引後当期利益というのは、あくまで直近の決算時点での利益です。
その中には、その年しか発生しないような収益や費用も含まれています。
例えば、
「たまたま大きな補助金収入があった」
とか、
「役員に退職金を払った」
などです。
それらは、通常の年度では発生しませんから、その数字を元に計算すると判断を間違えます。
じゃあ「いつも発生する取引から計算した利益」はどれじゃい、というと、決算書では
「経常利益」
に載ることが多いです。
なんか専門用語ばっかりで面白くないですね。。
これは読者が減る予感・・
でも、これで終わりではありません(ヒエッ)。
「経常利益」は、税金が引かれていません。
ので、経常利益の額に、ざっくり70%をかけましょう。
※法人税として約30%引かれるため
経常利益が1,000万円なら、
1,000万 × 0.7 = 700万
こうして出てきた金額が、
「通常ありそうな取引をして得た利益から、税金を払った後、手元に残る額」
です。
これが、返済に充てられる額か!と言いたいところですが、
実はまだ終わらないのです(白目)。
あなたの会社の決算書(損益計算書)の中に、「減価償却費」はあるでしょうか。
もしあったら、減価償却費の金額を、先ほどの税引後経常利益に足して欲しいのです。
減価償却費?って何?
足す?なんで?
は?
と思われるかもしれませんが、とりあえず先に進みましょう。
例えば、先ほどの例で、減価償却費が200万円だったとしたら、
700万円 + 200万円 = 900万円
これが、返済に回せるお金、ということになります。
減価償却費の話や、「税引後利益に足す意味」などを説明すると
ややこしすぎて一揆が起きる可能性があるので、
また違う機会にします。
まとめとしては、
その年だけのたまたまではない、通常の取引=経常利益
税金を払った後の利益=経常利益×0.7
実際に返済に回せるお金=経常利益×0.7+減価償却費
というところを覚えておいてください。