今回は
「売上を見ず、●●を見よ!」というテーマです。
以前の記事で、
「売上は見せかけ」
という話をしました。
いくら売上が大きくても、原価、つまり仕入や外注なども大きければ、
手元に残る金額=粗利は少なくなります。
残った粗利から、給料など各種経費を支払わらないといけないので、
売上がいくら大きくても意味ないよ、ということです。
例えば、
A社
・売上 10億円
・原価 9億円
・粗利 1億円
B社
・売上 2億円
・原価 1億円
・粗利 1億円
売上だけ見るとA社はB社より5倍も大きいですが、どちらも粗利は1億です。
A社はB社より5倍儲かってる!かというと、そうとは言えません。
結局は粗利から各種経費を払うわけなので、売上が大きくても利益が残るとは限りません。
多くの経営者は、
「毎月の売上はいくらだったか?」
は気にしますが、粗利を把握している人はほぼいないのではないでしょうか。
しかし、繰り返しますが、売上は見せかけです。
特に、単価が大きくて、粗利率も違う商材を扱っているような業種だと、
これが顕著に出ます。
例えば、自動車業界。
中古車販売の粗利率が15%、車検整備が50%だとします。
車販の売上1,000万円だと、粗利は150万円です。
かたや、車検整備で売上1,000万円だと、粗利は500万円にもなります。
建設業でも新築とリフォームは粗利率が違いますし、
製造業でも加工のみと材料仕入ありとは違いますし、
美容室も技術と店販は全く違います。
売上だけを把握する意味がないということ、お分かりいただけますでしょうか。
じゃあ、売上ではなく何を見れば良いの?
ということで、お察しのとおり
「粗利」
です。
毎月管理する数字を、売上メインから粗利メインにするわけです。
売上を把握しても、会社がどれくらい儲かっているかは分かりませんが、
粗利を把握すれば、ほぼ分かります。
いわゆる固定費は毎月それほど変動はしないわけですから、
粗利から固定費(概算)を引けば、会社全体の利益がすぐに出ます。
というわけで、追いかける数字を売上から粗利に変えてみましょう。
それだけで、リアルタイムで経営状況が分かる会社になります!