今回は
「内部留保って何?」
というテーマです。
「内部留保」って言葉、聞いたことあるでしょうか。
たまにニュースや、政治の討論番組などで取り上げられます。
多くは、
「大企業は内部留保を貯めこんでいる」
「従業員などに還元せよ」
的な話になりがちです。
たしかに、大企業は自分だけ儲けを貯めこんで、
会社は金持ち、イッヒッヒ・・
的なイメージあるかもですね。
じゃあ、そもそも
「内部留保って何?」
という話です。
内部留保とは、
「企業が起業してからこれまでに稼いだ利益の累計」
です。
決算書上では、右下の「利益剰余金」という項目に表れます。
この利益剰余金という項目の数字が大きいと、
会社はこれまでたくさん利益を稼いできたことになり、
これが内部留保と呼ばれます。
ちなみに業績が悪い会社の場合、この利益剰余金が少ない、
あるいはマイナスになってしまっている場合もあります。
さて、この利益剰余金=内部留保の数字が大きいと、
その企業はそれだけお金を貯めこんでいるのでしょうか?
という話です。
結論としては、
内部留保=現預金ではない
です。
したがって、内部留保があるからといって現預金が潤沢にあって、
貯めこんでいるとは限らない、ということです。
どういうことかというと、
会社は利益を出したとして、その利益をずっと現預金で持っているわけではないのです。
会社は利益を出すと、その利益を次の投資に回します。
例えば、
機械を買ったり、
工場を建てたり、
在庫を増やしたり、
有価証券を買ったり、
あらたな製品の開発をしたり・・
などです。
これらに使ったお金は、当然、現預金として残っていません。
貸借対照表(BS)の左側に載りますが、
現預金ではありません。
したがって、
「利益剰余金=内部留保はあるが、現預金は無い」
という状況になります。
これは悪いことではなく、
基本的に企業は永続的に発展をしていくことを目指しますから、
投資は必要です。
投資をせずに儲けを全て使ってしまっては、
それ以上の発展が難しくなってしまいます。
と、いうわけで、
「内部留保=儲けたお金を貯めこんでいる」
ということではありませんし、
「そもそも企業は、儲けを再投資することで拡大していく」
つまり、
「内部留保を還元せよ!」
という主張は、必ずしも妥当とはいえない、ということですね。
ニュースなどで出てくる経営に関係しそうな話題、是非
「それってどういうこと?」
って調べてみてくださいね。