前回に続き、
「貸借対照表はまずここを見よう!」
というテーマです。
まず前回のおさらいです。
貸借対照表(BS)は、ひとまず
これだけ覚えてもらいました。
今回は、このBSを読む順番についてです。
BSは色々よくわからない数字が並んでいますので、
漫然と見ているとますますよくわからないことになります。
「これが正解」というものは無いのですが、私のお勧めはこんな感じです。
①まず、現預金を見ます。
会社で一番重要なのは現預金が十分にあるか?なので、真っ先に見ます。
現預金が少ないと、その時点で
「大丈夫かな?」
となります。
②次に、右下に行って「繰越利益剰余金」を見ます。
ここには、これまで経営してきた中で得た利益、または損失の累計が載っています。
この数字を見れば、「この会社が儲かっているのか?」が分かります。
③次にそのまま上に行って、「長期借入金」を見ます。
※場合によっては「短期借入金」も見ます
ここには、銀行などからの借入が載ります。
どれくらい借金があるのかが分かります。
ついでに、この借入金の額と、最初に見た現預金の額を見比べます。
例えば、現預金が5,000万円あって、
借入金が6,000万円という場合。
この場合、実質の借入額は差引した1,000万円ということです。
また、現預金が5,000万円、
借入金が3,000万円だと、
差引すると借入金は0円です。
という風に、借入金は金額だけ見て判断するのではなく、
「対応する現預金があるか?」までチェックしましょう。
④続いて、さらにちょっと上を見ると「買掛金」があります。
仕入や外注費で、「後から払うもの」です。
この買掛金を見ると同時に、左側の「売掛金」も見ましょう。
「棚卸」もあれば、一緒に見ます。
売掛金や棚卸は、「これからお金になるもの」です。
「売掛金プラス棚卸」と「買掛金」の差額を比較して、
「売掛金プラス棚卸」のほうが多い場合(普通はそうなると思いますが)、
そのための資金をもっておく必要があります。
「まだ入ってこないお金」が「まだ払わなくて良いお金」より多いということは、
差額分が足りなくなるからです。
※ここはちょっと丁寧に説明が必要なので、また別の機会にお伝えします。
⑥ここまで見たら、あとは固定資産など、細かい科目を見ていきます。
ざっくり、こんな感じです。
BSは、「ナントカ率」など、分析しようと思うと見るべき箇所がたくさんあります。
いきなりそうやって見ようとすると大変なので、
まずはざっくり全体像をつかんで、そのあと細かく見ていくようにしましょう。
今回の内容で、BSへの親近感(笑)が少しでも増えれば幸いです。