今回は
「慢性的な納期遅れを1か月で解消したシンプルな方法」
というテーマです。
ある、小さな製造業の会社のお話です。
この会社は慢性的な納期遅れに悩まされていました。
受注が重なるとあっという間に納期遅れに陥り、
従業員が残業に追われることに。
それでも出荷は間に合わず、全受注のなんと48%が納期遅れ、
ということもありました。
小さな会社なので立派な生産管理のシステムや
担当者もおらず、社長の判断で業務を回していました。
当然、そんな状況のため社長には精神的にゆとりがなく、
常にストレスを抱えているような状態でした。
さて、そんな状態からある施策を行い、たった一か月で納期遅れを解消した方法があります。
しかも、人手を増やしたとか、設備を増やした、ということは一切ありません。
「ルール」を決めただけです。
それは、
「処理の順番を決め、工場全体でその順番どおりに処理する」
だけです。
もう少し詳しく説明しますと、
1.受注している全オーダーの、納期を確認します。
2.次に、そのオーダーを処理するための作業時間(リードタイム)を決めます。
3.そして、納期と必要なリードタイムをもとに、作業に着手する順番を決めます。
あとはこの決めた順番どおりに作業するだけ、です。
たったそれだけで、あっという間に納期遅れが解消したのです。
難しいシステムではなく、エクセルで作った一覧表をスタッフ全員で共有し、
その通りに作業していくだけで、ドンドン処理が進んでいき、
納期遅れも無くなったのです。
↓サンプルです。優先度を色分けし、「黒」→「赤」→「黄」の順番で処理していきます。
なぜ、そんなにうまくいったのか?
それは、
「今やるべきことにフォーカス(集中)したから」
ただ、それだけです。
断言しますが、(私も含め)ほとんどの経営者は、
「今、やるべきこと」
にフォーカスできていません。
その理由は
・その人の性格の問題だったり
・今やるべきことは分かっているが、やり方が分からなかったり
・やることが多すぎて手が回らなかったり
・そもそも何にフォーカスすべきか分からなかったり
などです。
今回のこの会社も、
「慢性的な納期遅れ」
でありながら、まだ納期が先のオーダー(本来やるべきではない仕事)に手をつけていたりしました。
それは、仕事の優先度が明確になっておらず、
見える化されていなかったので、
とりあえず目の前にある処理しやすいものからやる、ということが起きていたからです。
そこで、
・優先度の見える化
・順番どおりに仕事をするというルール
を決めました。
大事なのは、順番を決めたら、
「他のことはやらない」
と決めることです。
それだけで面白いくらい仕事が進んでいきます。
「やらないことを決める=目の前のことにフォーカスする」
是非参考にしてみてください。