キャッシュっていくら持てば良いの?

今回は、

 

「キャッシュっていくら持てば良いの?」

 

というテーマです。



一般的に、

 

「現預金は月商の〇〇カ月分持ちましょう」

 

「固定費の〇〇カ月分持ちましょう」

 

といった指標が示されることがあります。



実際のところ、どう考えるべきでしょうか。




結論としては、

 

「会社による」

 

です。



なんかこのブログでは、

 

「場合による」

 

「人による」

 

「会社による」

 

なんてことが多いのですが、要するに

 

「絶対の答えを求めるのではなく、

ちゃんと理屈を理解して自社にあてはめましょう」

 

という私からのメッセージです。



決して、手抜きではありません。




さて。



「キャッシュをいくら持つか?」

 

は、結局のところ、

 

「会社が今後のリスクをどう想定し、どう備えるか」

 

という話です。




例えば、仮に突然売上が0になったとしましょう。



その時に、

 

「何か月あれば立て直せるか?」

 

を考えてみます。



例として、3か月あれば何とか立て直せるとします。



そうすると、その間に必要なキャッシュは、

 

「固定支出の3カ月分」

 

ということになります。



固定支出とは、

 

「売上が0であっても発生する支出」

 

のことです。

 

会社の存続という観点ですと、この固定支出をベースに想定するのが妥当ということになります。



売上が0になればそれに対応する仕入や外注も0になるはずなので、

「月商」ベースで考える必要はありません。



では、

 

「何か月分持てば良いか?」

 

ですが、会社次第でしょうし、リスクの内容にもよります。



例えば、

 

「元請先一社に頼っていた製造業が、元請に切られた」

 

というような場合ですと、

1か月で新たに取引先を開拓し、受注し、納品して代金を払ってもらうのは不可能ですよね。

 

3か月でも難しいでしょう。



逆に、

 

「飲食店がオーナーの体調の問題で1か月休業した」

 

ということであれば、

お店を再開して客足が戻れば現金がすぐ入ってくるので、

そこまで多くのキャッシュがなくてもなんとかなるかもしれません。



個人的な感覚では、

 

1か月では何もできずにあっという間に経過し

 

3カ月は施策がうまくいけばギリギリ間に合うがゆとりはあまりない



というイメージです。



なので、やはり固定支出の6カ月は持っていると安心感は高まるかな、

という感じです。



コロナで、「売上の激減」を体験した方も多いと思います。



是非、キャッシュの重要性・固定支出という概念をご理解ください。



まずは、「自社の固定支出を把握する」というところから

 

始めてみてはいかがでしょうか?